周囲の強クライマー諸氏は、数撃で落としたりマスタリピが普通だったりアップがてらだったり。
そういう事はどうでもよいでしょう、自分にとっては。本匠遊歩道 洛陽(5.13a)。
飛ぶが如く5.12dを5月に落とした勢いで取り掛かる予定だったが左肩を怪我。それが癒えようとしたタイミングで今度は右膝を深キョンで負傷。夏休みは当然満足に登れず体重は青天井、モチベーションも落ちまくり9月までを無為に過ごした。10月に入り怪我も癒えたと減量&リハビリを始める。中旬より洛陽アタック開始。
10/15 初トライ。お噂は聞いていたドムさんと初めて登らせてもらう。核心薄カチマッチから右手の鼻の穴→左手を小ドアノブ状のカチ。右手が決まらない。鼻の穴に親指と人差し指を深く突っ込むとガッチリ効く気がするが実は手首を返せなくなるのでやめたほうが良いことをドムさんに教わる。
2トライ。なるほどカチ気味で鼻の穴は持てた。が次の左ドアノブカチが持てない。
10/17 小積開拓が前日入りでは無くなったので84師匠と遊歩道。樹里さんなどがいる。
3トライ。左ドアノブカチを取りに行く時の左足の位置を修正。身長のあるドムさんたちが置くといういわゆる「豆腐ガバ」ではなく、その右上の極小カチに置くとよい、と樹里さんに教わる。
4トライ。バラシで抜ける。左ドアノブカチを取れればその後の右アンダー→左手コルネ→左手コルネの箇所はまだ核心ながら最大核心ではないと理解。
10/23 初めてQDセットから。樹里さん池田さん達と。
5トライ。ナマコの涙セクション、最後の大レストのコルネから動き始めるムーブが効率悪く84師匠にも酷評だったのだが樹里さんムーブを参考にするとすんなり取れる。やはり男ムーブは自分には参考にならない。
6トライ。核心の入りまで来るもやはり肝は左手ドアノブカチ。これが決まらず先へ進めない。
10/31 前日仕事が忙しく睡眠時間3時間ほどでしかも暫く登れないだろうと筋トレで腕を追い込んでいたのだが、午後ポカリと時間が空く。1本だけでも触ってみるかと車を飛ばすと流石土曜日、ドムさん他で遊歩道は賑わっている。
時間がないのでアップもせず取り付かせてもらう。
7トライ。何故無理して登りに来たかわからないくらい体調最悪なのだが動く、流れる。
核心、右手ドアノブカチが止まり右足振ってアンダー→左手コルネとばし、全く余裕。ここで問題発生。目の前のクリップができない。ここまで通して登れたことが無かったのでクリップが分からない。数秒逡巡したのちしょうがないのでテンション。その後軽くワンテンで抜ける。
降りて話を聞くとあれはRPトライの際はクリップしないとのこと。トポにも書いてあるそうだ(トポ見たこともない)。全く余裕で核心を抜けただけにクリップとばして突っ込むという現場判断できなかった自分に慚愧する。情けない。
しかしあの感覚はなんなんだろう、体調悪く体重もベストとは言い難いながら、全く気負いが無かったためか6トライ目で、自分の最高グレードを苦も無く登れていった。
登っている最中の記憶も少し曖昧ですらある。「居着きが無い」状態とは正にあのことなんだろう。あの状態を自分で引き出せればグレード一つは軽くあげられるだろう。クライミングはメンタルが大事だとは知っていたがあそこまで強烈な体験をするとは思わなかった。夜、アマゾンで居着きの記述ある本などを探してしまう。
11/2 日を開けず。前日の降雨を心配しながら池田さんと来てみると重鎮大薄さんなどが取り組んでいる。流石である。
8トライ。湿気というよりしっかり濡れているが、フットホールド。というかそれで挑む大薄さんの前で文句など言っていられない。しかしやはり左手ドアノブカチが取れず落ちる。取れないホールドを取ってやろうという必死さが、取る寸前の状態に「居着いている」のは理解できるがそれを払拭できない。前回の調子の良さが逆に足かせとなっている。
肝である左手ドアノブカチ取り。メンタルの改善はさておき動きを洗練する余地、というか必要があるのでいろいろ試す。
左足は良い。
右足ほぼブラだが微かな凹み、皆が踏んでいるような跡ありでここに決定。
右手の鼻の穴。掴んだ時→しっかり保持→次の左手ドアノブカチ取りの3つの位相でホールドの持ち方と力を加える方向、力の入れ方を微妙に変化させることでドアノブカチ取りが見えてきた。
9トライ。ドアノブカチ、止まった。が既にヨレており次の2本指アンダー保持できず。
11/6 ドムさん樹里さん安達さんと4人。
この日は狙っている。向かう道中自然に登れたら何食おう、なんて考えている。
QDセットの後、10トライ。
最初の右足トゥ突っ込んでの大レスト、最後の大コルネのレスト共に腕の張りに意識を集中し最短時間を意識。
薄カチマッチ→体を捩り右手鼻の穴止めて、そこで「居着かない」ことを意識突っ込み気味に左手ドアノブカチ、取れた。→右足振って→右手2本アンダー→左手とばし。左→左でのコルネ取りではなく前回から採用の左→ツイストしての右手でコルネ取り。コルネに上がると手はいっぱいだがここでレスト。
下から「そこでレスト?」との声も聞こえるが10/31の好調時にここでレストできたので手を数回シェイク。しかしレストにならず手が持っていかれるのを感じあわててトラバースに入る。右手ガバが悪い持ち方になり焦りながら左キョンに持っていくが身体張力を活かせず右足をいつも予定のホールドにのせられない、体が真横になり指に負担がかかり、
…落ちた。
妙に調子の良い時ワンテンで抜けた時にレストができたのでその心積もりだったが「レストすることに居着いた」感が。そこで消耗していくのに気付きあわてるという体たらく、またもや凡ミス。
11/10 夜勤明けの池田さんに無理やり来てもらい大分ICで拾って遊歩道へ。
QDセット。流れる。マスター?核心の抜け、コルネ下を取って
→前々回から採用のツイストしての右手コルネ取り、は前回「効率悪いのでは?」という意見があったので一瞬迷って多くの人が採用しているらしい左手を更にトバす…取れたが良い所を掴めず手が詰まり…テンション。残念。しかし自分には「左→デッドで左」は右手アンダーポケットの負担が大きい。デッドでの飛びつきは確実性も下がり好きじゃない。QDセットでかなり力を使ってしまうがムーブを決定できたのは良し。降りる。
しかし右手がかなり張って痛い。身体全体も疲労がピークなのを感じる。
登れる気がせず30分ほどレストを、と横が寝られない。すると池田さんが右腕をマッサージをしてくれる。プロの技、痛みが取れ体の緊張がほぐれ寝てしまう。いつもお世話になるが本当にありがたい。登らねば。
11トライ。
各所レストは回復できる最短時間を意識、流していく。ナマコの核心トラバース、足がバタつくが気持ち引きずらないように放って行く。
核心、両手マッチ→鼻の穴→足をずらして→左ドアノブカチ、流れで取れる。
足ブラから右足振って→右アンダーポケット→左手コルネ下トバし、止まった。
足踏みかえ右手でコルネを被せていく自分ムーブ。止まった。
最終クリップ→ガバへ右手を、、、手がうまくかからず外れる。
ヤバい、しかし池田さんのガンバが聞こえ焦りが止まる。一度コルネで体勢整え、想定の足運びで再度ガバ取り→左足キョン気味、左手被せで上を取り→右足振り→右手ガバ→左手マッチ→右手ドガバ。 終了点クリップ。
叫ばせてもらう。(完登時には動画が撮れない、というジンクスを払拭したかに思えたが終了点が映っていないという素晴らしい出来映え)
4月からこっち仕事が忙しくなったり、嫌なことがあったり、調子が上がったら故障したり、来年は登れなくなるかも、な状況を上司にほのめかされたり。だからなんとしても今年登りたかった洛陽、11トライにてRP。
今回初めて登らせてもらった樹里さんドムさんにムーブを教わった。
70歳になられる大薄さんには濡れていてもトライするモチベーションをもらった。
84師匠には効率が悪いと指摘されることで登れている箇所のムーブの洗練度を上げる気になった。
いろんな方にビレイをしてもらった。
皆さんに感謝。
そしてなにより池田さん。故障の度に専門的な知識でテーピング処置を施してくれ現場ではマッサージ。登れない時の愚痴もたっぷり聴いてもらい、登りたいエリアもあるだろうに宇佐から勤務明けでも快く出向いてビレイしてくれた。本当に協力してもらわなければRP出来なかった。泣くほど感謝。
帰路の車中は縛りが解けて遠征やクラックなどの話で盛り上がる。
予報より好転した空が心なしかいつもより鮮明に見える。雲がかかった由布鶴見が綺麗。
この日の成果:
・洛陽 5.13a 7日11トライ(QDセット×3 外税)
・ココイチ 手仕込みとんかつカレー300g 4辛チーズトッピング
・ココイチ 手仕込みとんかつカレー300g 4辛チーズトッピング