2023年8月30日水曜日

夢の序章のマッターホルン2023 vol.8 備忘録的に 最後。

 最後かな、リコメンド頂いた写真と、個人的に残したい写真とをアップ。


金があろうが無かろうがココが良い。

山を狙う感の共有はここ(テントサイト)が1番味わう事ができるのではないかな。それぞれのテント周囲に散らばってるギア("ピッケル"じゃなくて"アイスバイル"、の違いな)見ても、山屋の割合はホテル暮らしより絶対多し。




登ったからかもしれない、アップできる登れない雲 風を纏う山。
本当に睨めつけて願ってたな。





少し名残惜しい気持ち抱えながら最後に乗ったゴンドラ。

正直マッターホルンに登ってる時の、景色が良い、て思った記憶は欠落してる。
登頂後に最後にエンクラで行ったリッフェルホルンで、あぁ良いな、って心から思った風景。

ここね。

染みたよ。





こんな期外収縮なら大歓迎やねぇ❗❓と、ミッツーと「マッターPVC Tシャツ」って名付けたヤツ。
買えばよかった。
今度は買おう。  あっちから登れたら、ね。




お高いけど美味かった、チーズフォンデュ。




まだ、1ヶ月も経ってない、とはいえ。
登った時の高揚感が薄れないという、初めての経験。
 初めてのフリーソロとか、槍の天辺行ってボゥっとしたあとでも無かった読了感。

ゴールやなくてスタートに立った、という思いが強いからかも知れないけど。

コレだけ、でも行って良かったな。







ミッツー、本当にありがとう。
m(_ _)m

了。







2023年8月29日火曜日

夢の序章のマッターホルン2023 vol.7 備忘録的に読み物



マッターホルン最前線

ヘルンリ小屋の番人が書いた救助日記のようなもので、短い章に別れて読みやすい。
実際に登る際にヒントとなる情報がちらほら。ルートも写真に載ってたのわかりやす・・・今と違う❓いや、ソコは結局わからんかった😅






美しきマッターホルン
ガストン・レビュファ著

あのガストン・レビュファの作。大好きなガストン・レビュファの古書は、いくつか買いためて、家のインテリアとして飾っているが、中でもコレは気に入りのもの。

そして今回改めて読んで、山への憧憬を膨らませまくって、直接マッターホルンを見て感動、登って惚れ惚れ。

レビュファのロマンに溢れた文と数多くの写真、挿し絵。



彼の地に赴くなら、是非とも読んでいただきたい。・・・とはいえ50年以上前の本で、中古でももうあまり見かけませんがね🤭見つけたら幾ら出してでも買うべし。




 

2023年8月23日水曜日

夢の序章のマッターホルン2023 vol.6 備忘録的に ツェルマット散策

 散策、と言ってもストリートビュー見ればマジそこそこ町並みわかるし、こじんまりした街なので、あっという間に把握できるのだけれど、いくつか情報を。



テントサイト
駅の近くの好立地にあり、スーパー(DEGNNER)もすぐ近く。
店番のおばちゃんも気さく。

 テント一張、2人で一晩20CHF(有料テント有り別料金)。最も安いドミトリーを早割でも2人で一晩100CHFだったことを考えると安い。
 店番は基本8:30〜10:30と、16:30〜18:30の間しかいない。
ただ、いない時に着いたときは先にテント張って、来てから「泊まらせて〜」で充分。チェックアウトもテントにつけるタグをドアポストに放り込めば店番いなくても可。

 注意は夕方から「水」になるシャワー🚿(早い者勝ちね)と、トイレ場にある充電用コンセント🔌が確保争いになることくらい?(開けっ放しのトイレ場、充電しっぱなしで皆、次の日まで放ってたり、自己責任とはいえ治安良き街😊)

 一番良かったのは、山登ラーも多いし、交流が多かったこと。松本さん家族、工藤くん、画家のマシュー、ポーリッシュクライマー・・・。
 ガスやフライパン、塩コショウの貸し借りに始まり、山の情報交換など、すぐに友達ができることは山行にも大きく良い効果が出たと思う。天気予報をみんなで見ながら頭突き合わせてトライ日の検討、、、仲間感あったね。多分ホテル暮らしならここまではないだろうけど、楽しい生活を過ごせました。





そうそう、夕方になると放牧から帰ってくる山羊達の寝ぐらが近いせいで、夜ヤギたちが動くに合わせて聴こえる鈴の音が風鈴のように心地よかった。うるさく感じる人もいるようだから何とも言えないけど、自分には良い子守唄でした☺️


スーパー
世界一クラスで物価の高いスイスでの外食は、我々にはラグジュアリーでしかないのでほぼ自炊。(乾きのあまり入ったマクドナルドのシェイクが高すぎて、何も買わずに店を出た貧しい子っぷりも懐かしい😅)
 
  でもスーパー、面白いものや美味しいものも一杯だから楽しかったな。
 当初、テント近場のDEGNNER一辺倒だったけど、最後になり品揃えは1番ない(ほんとに地元のスーパーね)と知りました。駅前のショッピングモールの中にあるCOOPは品揃え多く、お惣菜なども超充実。もう一つのMigrosはツェルマットではテン場から1番遠かったこともあり、行きませんでした。ただ、国際空港内の店はチョコだけでも凄まじい品揃えだった。
「板チョコ」だけでこの数。


食べ物はやはり名物であり、大好物のチョコ、チーズ、そして日常毎日3食欠かさないヨーグルトがものすごく種類豊富なのはとても嬉しかった。




レストラン
テン場の店番おばちゃんにどこが良い❓って聞いて訪れた、登頂祝勝会で唯一訪れたレストラン。比較対象を持たないのでわかりませんが、美味しかったです。





ツェルマット・・・自分的にはイメージ「スイスの上高地」です(マッターホルンはスイス槍としとこう)。
山に登るか否かは問わず、自然好き、自然の絶景を望みたい人が「自家用車乗り入れ禁止」位の不便を押してでも訪れる場所。オシャレな格好で高価なホテルも有り、山屋がテン場で天候好転を伺うのもアリ。小さい町なので街ブラは半日で終われますが、ゴルナーグラード鉄道など使えば氷河を見られるトレッキングも、逆さマッターホルンも手軽に見ることができる。「徳澤園までなら」的な❓

あと、木造の、古民家の朽ちた様子がなんとなく日本的でとても良い感じでした。




2023年8月20日日曜日

夢の序章のマッターホルン2023 vol.5 リッフェルホルンクライミング

 旅も後半。

8/12、今日はツェルマット最後の日。


そっか、テントの通気孔からもマッターホルンの朝焼け見えたんや、とテント暮らし最後の日になって少し感傷的になる。

さて今日は❓観光❓でも登らない手はないよな、でも疲れてガッツリやるほどには・・・

ガイドつける人はマッターホルン前にクライミング技術をテストされる、というリッフェルホルンなら逆さマッターも見れるかもやしエンクラでいいんやない?ということで。

ゴンドラ乗るのも最後。

ゴンドラから、高いと噂のゴルナーグラート鉄道に初めて乗る。



嬉しいことにしっかり逆さマッターホルン拝めたよ。もう、「アレに登ったんやなぁ」って思えるのがジワジワと嬉しい。


リッフェルベルク駅からはそう歩くこともなく登り場につける。



テン場掲示板に貼ってあったトポ。駅は写真右奥の裏に位置している(駅から岩場は見えず山の反対側になる)ので9番側からルートに出会うことになる。


どれも似たりよったりの簡単さだし、せっかくならネームプレート貼ってあるのにしよか、とトポで言う7番のMACHETE 5cに決定。
クライミングシューズも持っていってはいたが、不要かとG5(登山靴)で、


ユルく楽しむ。

でも、氷河をバックに景色は最高、映える映える😊



楽しく4ピッチ登って、懸垂までしてスイスでの登りを終える。

ツェルマットに戻ってきた。

食べるタイミングが無かったジェラートを堪能、
その後マッターホルンミュージアムに。

登り後でハーネスつけたまんま、ちと恥ずかしかったが、



様々なルートの詳細が説明されている。
シュミットルート、、、SomeDay・・・

あの有名なロープも。8mm程度❓現代の自確ロープより細いんだもんなぁ、コレで7人は狂気です今なら。

博物館から出ると。
この日は、なんと年に2日のお祭の日。なんという幸運。

演奏を聞き、

民族衣装のお姉さんと写真を取ってもらったり、しっかり観光。


ツェルマットを堪能しきった、最後の1日。























夢の序章のマッターホルン2023 vol.4

 8/10。今晩から、山へ入ると決めた。天気予報も午後から山頂も晴れる、とのこと。しかし、雲は晴れる気配がない。

最終16時ののゴンドラに乗る予定なので、モゾモゾダラダラ準備するも、何か身が入らない。しかし午後になり、この日トライした松本家族の留守を任されている奥さんに、なおや君登頂成功の報が入る。

そして、こちらが出発する頃、テントサイト仲間の、なおや君が下山してきた。早口で効くところによると「頂上まで行け、雲や風はスゴかったけどなんとか行けました😃」とのこと。疲れ切ってはいるものの、満足げな顔に「あのくらいの雲なら行けるんや」とテンションあげつつ別れを告げて出発。

 しかし近づいていっても雲は張りついたまんま。不安は消えない。けれど夜、寝に入ろうとしてふと見ると見事に雲は消え去り


星空の中に山が浮かんでいる。いける❗とテンションあがる。

 8/10 トライ当日。1:30起床。ヘルンリ小屋はイッパイだったため、高度差約700m、歩き1時間30分のハンデ地点から出発する。

 山に入り、最初のフィックスロープを越え、我々が「赤岩」と呼んだところを過ぎて間もなく、下からヘッドライトが1列に上がってくる。

抜かれた❗ 噂に聞くながらもガンガン飛ばすガイド組。抜かれつつもついていく。ソルベイ避難小屋で夜明け



ツェルマットから見てたモルゲンロートの中にいるんやな、と感動する間は無く先に進む。

フィックスロープが続くところ、早くも下山してくる組とガチ合い、更にスピード落ちるものの待ってばかりでは進めない、




噂の鉄杭に3パーティ程が同時にロープかけたりしながら登り、下り。

高度を上げて、クランポンを着け、肩に出て、、、そして



着いた。。。今までで一番登りたい夢の場所に、ルートは違えど、立てた(スイス側の天辺何もなし)。

更にガイドでは中々連れてきてもらえない、というイタリア側の山頂、十字架のところへ

嬉しいね。

1ヶ月ほど前から毎日激変する天気予報を眺め、ツェルマット入りしてからもテントサイトから雲が晴れるように山を睨み付けていた。2週間以上待っている人、年越しで狙っている人、テントサイトでいろんな人から話を聞きながら今回ダメかなと思いつつ、願っていた。

 そして、、、晴天の中、天辺に来れた。

晴れ男って言っていいよな、俺。


写真を数枚撮ったあとはイソイソと下山開始、事前情報どおりの聖ベルナールの首に縄(ロープね)かけての懸垂下降から。

ガイド組はいなくなりガイド無し組が前後しつつ下降していく。


 ソロで降りてた人と、タイミングが同じため少しずつ話していると、段々と意気投合、懸垂下降タイミング同じなのにロープかけかえもったいないから一緒に降りません❓️ということで即席パーティ完成。

  しかしソルベイ直下降りて鉄杭セクションが終わる頃、



ルートロスト。ここでしょ?と下りた痕を見つけて懸垂した先には腐りまくったハーケンのみ、周りは畳半畳程の浮き石だらけ、なんてところから登り返したり。別パーテイの二人と計5人、ウロウロと探すうちに暗くなり行動が出来なくなる。


これ以上無理に動けば遭難は必定、やむなく緊急ビバーク。3人体を寄せ会う。エマージェンシーシートすら持たない軽装の為、着られる物はもちろん、ドライバッグを体に巻き付け、ロープを敷くなどして構えるものの、寒さは厳しく🥶ガチガチ震えながら長い夜を耐える。


・・・どのくらい経ったろう、急にガチャガチャとライトの群れが近くを通る❗️時計を見ると4時過ぎ、今朝のガイド登山組がドンドン通ってくる❗️

ロストしたと思ってけど、ほぼルート上やったんやん‼️なるほど暗闇で見るとほぼ崖にしか見えないところも、確かにココ登ったな、ってところだ。

なんとか、やりきった感で下山。

疲れた・・・


ヘルンリ小屋で2度目の朝日を眺める。



しし、ガイド登山だったらこの充実は無いよな、負け惜しみだが。

とても良い経験も得たよ。想定外の対応もありながら、新しい友達Ziadも出来たし。あの寒い思いも後になれば最高の思い出だ。

もちろん、喜んで今山行の誘いに乗ってくれたミッツー、多謝🙏



8/10の1:30起床行動開始から、8/11の6:30下山終了の約29時間で、チョコバー2本とドライフルーツ数個、水も1リッターしか摂っておらず腹ペコなので、ツェルマットに帰ってZiadと共に3人で祝いの朝食。Ziadがオゴッてくれたよ😆



  コーヒー好きだけど、こっち来てまだ飲んでないって言ったら、Ziadが選んでくれたアイリッシュコーヒー。気づかずに飲んだらガッツリウイスキー入りやん❗



「昨日ビバークで寝てないから、それ飲んでグッスリだな😁」やられた、良いヤツ❗️

食べ終えて、少しの寂しさと共に駅前でガッチリ握手を交わして別れる。


 テントサイトに戻ってからは、長期滞在してるイギリスの画家マシューに報告。

 登れたら買うよ、と約束してたマッターホルンの絵に、登ったことのサインをして、貰う。これはかなり良い自分土産。これだけで満足。



奇しくも山の日に無事下山の夏山行、終わったね。

本当に充実した、最高の思い出。お疲れ⛰️。